はじめまして。名古屋考平と申します。
電通の6年目で、周囲のご理解もあり、1か月間の育休をいただいている、29歳です。子どもが生後1ヶ月半〜2ヶ月半をともに過ごしています。

ある日妻に、「旦那がなぜ育休をとるのか周りにとても説明しづらいから理由を記事にして述べよ」と詰められまして、渋々その理由を考えてみました。

そもそも私自身とても仕事が好きで面白いと思うし、行きたい飲み会には行きたいし、「イクメン」的な称号がほしいわけでもないです。さらに1カ月育休を取得したところで偉そうにできるわけでもないなぁと思ってややヒヨってもいます。
ただ、もっともらしい理由はいくつかありますので、長文になりますがおつきあいください。

 

■マクロで見る男性育休

自分の話の前に、まずは世の中の話をします。

日本の家庭の共働き率は、20年前から比べてこんなにわかりやすく増加しています。

(出展:http://www.garbagenews.net/archives/1954558.html

 共働き世帯の増加により、一家庭がかけることのできる保育や育児の時間が少なくなっていくなかで、2016年の厚労省の発表によると、男性の育休の取得率は「3.16%」です。出生数が約100万人なので、育休をとる男性は1.5万人くらい。多くはないですね。
この状況に対し、国は2020年度までに13%にしたいとのこと。そうすると、単純計算で6.5万人。ここまで増えるかはかなり微妙ですが、男性の育休は増えていく流れにはあるようです。

 

(出典:https://mainichi.jp/articles/20160727/k00/00m/040/075000c

さらに、男性の育休制度にはある程度のお金が流れてくることもあると思っています。
なぜかというと、国が育休取得率をあげたい理由に行きつきます。

内閣府のデータによると、「夫の育児参加時間が長ければ長いほど、第2子の出生率が高い」そうです。
つまり、父親が育児に時間を費やすほど子どもが生まれやすくなり、少子化という課題の解決策になりうるということです。
育児に参加することで「仕事に割く時間が減る⇒年収が減る⇒子どもを作れない」ということにはならない。むしろ生産性やモチベーションが上がる、かつ家庭が円満になるということでしょうか。

いずれにしても、国も男も育児した方が良いと考えているということが現状です。

 

■個人的な育休事情

個人的な話でいうと、私の場合は妻が自営業なので、いち早く仕事復帰しないといけなかった。その仕事復帰のタイミングでは、子どもは首もすわってないので保育園に預けにくいと感じていました。そこで、いわゆる「ワンオペ」で、妻が働いている間、すきやの深夜店員かのごとく自分ひとりで面倒を見るチャンスがあることに気付きました。

これは、言い換えると「主夫」体験ができるわけです。

当たり前ですが「ひとりで育児をする」という経験は、そこにあるたくさんの課題を知る、ということであり、「主夫」という体験は、比較的世の中的には新しい体験でもあります。

長くなりましたが、このあたりの前提を踏まえて、育休をとろうと思った理由を綴っていきます。

 

■育休取得の理由

①仕事の武器にする

私はいま電通のクリエイティブの部署にいます。広告に限らず様々なフィールドで、世界にさきがける新しい事例を作れるようなプランナーになりたいと思い様々な仕事をさせてもらっています。

様々な企画をする中で最近強く感じるのが、「課題をどう捉えるか」がとても重要だということです。
生活者や社会、企業といったすべての領域において、実はこれが課題になっていて、解決するとこういう変化があるのではないかというスポットライトの当て方や仮説構築が、いろんな意味で良い企画を生み出すと思うのです。この重要性は偉大な先輩たちも口を揃えて言っているので、原理原則に近いのではないかと感じています。
長くなるので具体例は割愛しますが、変化が激しく複雑化していくこの世の中、「課題が何か」を考え設定することは、恐らく業界を超えてとても重要なスキルでしょう。

そんな中で、課題が山積し、世の中的にも注目さている育児や保育といった領域に、先輩や友人の影響でそれなりに鍛えられたいまの自分の視点や知識を持ち込むと、何か突破口が見つかるチャンスがありそうだなと感じました。
そして共働き家庭における様々な課題発見と解決策を導くことができれば、社会にさきがけられる新しい事例になると思いました。

現在アイデアを実現するために様々な調査をする中で、複雑すぎる制度やリアリティのある意見は非常に良い勉強になっています。
(このあたりの話はどこかで別途綴ってまいります。)

この領域を掘り下げることで得られる視点を自分の武器にしたいと思ったことが、理由の1つです。

 

 ②タイミング

私の場合、仲が良い周囲の人と比べて、比較的早く子どもが産まれました。
子どもができるという劇的な変化が起き、自分の仕事やキャリアを見つめなおしたとき、自分のロールモデルになっている人の中にお子さんをお持ちの方が1人もいない、ということに気がつきました。
だからこそ、これをプラスに変え、自分自身新たな道を切り拓いていきたいなと考えたのです。じゃあどうすればいいかというとき、この領域は、経験した方が手っ取り早くわかることが多い。そして前述の通り育休は増えていく流れにあり、行政が進める規制緩和などもあいまって、保育育児の関連市場も拡大していく可能性が高い。
であれば今、29歳というタイミングで育休をとることは合理的で、かつそこにあるリアリティのある課題を知ることは、この領域を掘って動いてゆくファストパス的なものになるのではないかと考えました。このパスで子育てを仕事の一部にして、自分がベンチマークになれるようなチャレンジをしてみたいと思ったことも、育休取得の理由です。

 

③働き方の実験

働き方という意味でもいろいろと個人的に実験をしてみたいと思いました。

育休をとるとはいえ、手放せないプロジェクトがある。一方で復帰をしたとき仕事量は今まで以上に優先順位をつけなくてはならず、方法も今まで通りにはいかない。そんな中で育児を両立させようとしたとき、どんなことをどこまでできるかを試そうということです。

これも、いくらシミュレーションしてみても雲をつかむような話で、やってみないとわからない。なので、育休中も自宅でできる、会社の業務範囲以外の様々なことを行うことにしました。

 

④家族の影響

家族環境にも理由があります。妹が保育士資格を持ちつつ公立の幼稚園の先生をやっているのですが、とてもやりがいがある仕事なはずなのに労働環境的にはほんとうに大変そうです。
また、妻が妊娠中から様々な仕事を抱えきちんと稼いでいる上に、様々なチャレンジをしている中で、できることは普通に分担すべきだという考え方を自分自身持っていること。

このような自分の家族環境も理由の一つです。

ワカモノの政治離れに割と貢献していた私が保育関連の政策には比較的興味があったのは、たぶんこういった事情によってだったのだなと、いま振り返ると思います。

 

 ⑤かわいい

最後に念のためちゃぶ台をひっくり返しておきますが、自分が普通に子ども好きだいうことですね。やっぱり子どもはかわいい。

■どうなる、男の育休

ということでいろいろと理由を書いていきましたが、

最初、「イクメン的な称号がほしいわけじゃない」と書いた理由は、育児そのものだけが目的ではないことと、一方でなんとなく当たり前のことをしている感じもあるということがあります。

男同士でなかなかこういう話はしないし、多くを語らないことが美徳とされる節もあるような気もするのですが、だからこそやってみて、課題を探ってみる価値はあるのかなと思っています。

さて、やや言い過ぎた感もありますが、果たしてここに書いたことはそれこそリアリティがあるのか。ただのキレイゴトになるのか。

なぜか連載になっていまして、次回は育休を取得するためのプロセスや、実際にやってみた途中経過などを、より具体的にご紹介してまいります!